
霜月の一日、朝5時30分。
福吉の二丈カントリへの導入路方面から東を望むと、なんと幻想的な。
下弦の月が中空に、背振山系の向こうから茜色の朝陽がまばたきの間にも明るさを
ます。手前には一晩中バイパスを照らし続けた道路照明が、眠たげに最後の輝き。
今までに経験したことのないような暑さだった、夏子と夏男は、今はどこに
隠れてしまったのか。
秋代と秋太郎の短くても、濃縮な霜月の営み。
稲刈りが終わった田んぼでは、幾千万の虫たちが厳しい冬への冬支度をしずかに、
ひっそりと、ぬかりなくはじめていることだろう。
そして、お冬と冬輔が静かに、確実にやってくる。
霜月の 下弦の夜明け いいかげんなんてね(笑)。