キャタピラー

土曜の夜の映画2本立て。
2本目は「キャタピラー」でした。
寺島しのぶがベルリン映画祭で主演女優賞を獲得したということと、彼女の”裸”が話題となっていました。
「ハナミズキ」を先に観ていてよかった、というのが家人と観終わっての一致した意見でした。映画がいいのは、少なくとも製作か監督の言いたいことがあることだと、改めて確信しました。若松孝二監督の映画は、間違いなく戦争否定です。
若松監督の作品に一環して流れている哲学、思想はいつも反戦であり、反権力です。
反戦、反権力を世の中に訴えるのに、”いもむし、肢体不自由な帰還兵”ガ必要か否かを語るのは、不謹慎に思えます。それこそが、クリエィティブだと思えるのです。
家人は観た映画のパンフを購入するのですが、1000円だったとのこと。内容は”映画パンフ”というよりも、若松孝二監督編集による、”忘れるな太平洋戦争誌”で、台本も掲載されていました。
申し訳ないが、「ハナミズキ」とは対照的で、細かい設定まで計算されつくした”これこそ映画”でした。
2010年夏、終戦から65年。僕が小学生のころ(昭和30年前後)まで、町に”傷痍軍人”の方が白い衣装で募金に立っていました。思えば風景でしかなかったあの方方一人ひとりに、きっとすさまじい戦争体験があったことをこの映画は教えて(目覚めさせて)くれました。
65年めの夏、この「キャタピラー」と、NHKBSで放送され映画館でも公開されている「日本のいちばん長い夏」、そして浅田二郎氏の「終わらない夏」、この3つは、終戦65年目の夏の記念作品になると思います。
満点 | 評価 | ||
A | ストーリー・脚本 | 20 | 18 |
B | 演出 | 20 | 19 |
C | 映像(美・先進・驚異) | 10 | 8 |
D | 音楽(オリジナル・編曲・歌手) | 10 | 8 |
E | 配役(主演・助演含む) | 20 | 19 |
F | Pabaroの独断評価 | 20 | 19 |
100 | 91 |